「ひだまりの茅葺き民家」とのサブタイトルで開催しています写真展の展覧会会場で、写真家・柳下征史氏の講演会を開催いたしました。作品には、ひだまりのような暖かさがあふれています。
茅葺き民家を撮り続けて40年以上が過ぎた柳下氏。さまざまな困難もあったそうです。
他人の家を撮影するのですから、当然家主の許可を得るわけですが、なかなか許可してくれない。そんなときの秘策など、ユーモアを交え楽しく語っていただきました。
最後は心を通わすことができたと言いましたが、やはり柳下氏のお人柄なのでしょう。
会場には大勢のお客様が来館され、その中には作品となっている茅葺きのお宅の方もいらっしゃいました。
氏は、家族は世界の最小単位であり、その家庭がしっかりしてさえいれば、地域・市町村・県・国がしっかりしてよい社会になっていく、と力説され、茅葺き民家は最適の住まいであるとの考えで、民家作品ににこめる愛情が伝わってきました。
遠く京都から来た方や、立ち見の方もいて、茅葺き民家に対する関心の大きさが感じられました。日本の伝統文化であったはずの茅葺きが、さまざまな理由で絶滅しようとしています。かつて住んでいた柳下氏が、その良さを力説するのもうなずけます。
最後に、展覧会場に書を展示され花を添えている書家・川又南岳氏も登場し、書についてのエピソードを紹介され、和やかな雰囲気の中、あっという間に予定時刻となりました。
作品は自己満足でいいんだ!と力説した柳下氏。作品に対する自信と愛情が感じられました。どうもありがとうございました。
柳下征史氏は、ほぼ毎日会場にいらっしゃいます。茅葺き民家にご興味のある方、是非会場で柳下さんに声をかけてみてください。(KK)