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■丸山君の像 / 岸田 劉生 (1891-1929)

丸山君の像 / 岸田 劉生
制作年1921年
画法油彩
サイズ40.7 x 31.5cm

岸田 劉生 (1891-1929)

劉生は日本人画家としては珍しく、たくさんの肖像画を描いています。初期の時代に最も多く、”岸田の首狩り”といわれました。また劉生が描く人間は、肉親や親しい友人・知人に限られ、職業モデルは全く描いていません。
この作品は1921年に開かれた岸田劉生個人展覧会(神田・流逸荘)に出品された作品の一つで、一連の<<麗子像>>を除けば、油彩の肖像画としてはかなり制作数が少なくなった鵠沼時代の終わりの頃の作品です。この頃になると北方ルネサンス、ヂューラー等の細密写実画からの影響はほとんど消化され、代わって日本画や東洋的な趣味への傾斜が始まります。モデルは違っていますが、同じ年に描かれた<<麗子微笑> >(東京国立博物館蔵・重要文化財)と構図、タッチともよく似ており、写実を超越する美しさをたたえた柔らかな感じの作品に仕上げられています。