笠間日動美術館:学芸員便り

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■金山平三の肖像写真

2016年11月01日

金山平三・佐竹徳 記念室を展示替えした際に、金山平三写真アルバムを新たに展示いたしました。
金山平三画伯の精悍な表情が、アルバムには残っています。大きな岩の前で防寒具を身に着け、まさに制作中の金山画伯が写っています。

とてもきれいに写っていて、息が聞こえてきそうないい写真です。
撮影年のスタンプが押してあり、1955年10月とあります。どこかの秋景を描いているようです。
撮影年の横にはROLLEIFLEX F3.5 のスタンプがあります。
あの2眼レフの名機、ローライフレックスでしょうか。ドイツのカメラで、当時は相当高価だったはずです。絵画作品は美しい色彩で残っています。それにしても、現代のデジカメにも劣らない素晴らしい写りです。

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撮影者は勝田善次郎。十和田で、金山や佐竹の制作を鎌田露山(歌人)とともに支えた人物です。
金山は制作中の姿を、妻や友人にさえ見られるのを嫌がっていたので、勝田にはよほどの信頼をおいていたのでしょう。

勝田は制作中の佐竹徳も自慢のカメラでとらえており、次回の展示で、佐竹徳の肖像写真をご紹介しましょう。