現在、企画展示館では、テレビでもおなじみ田嶋陽子さんの書アートと、音を感じさせる絵画を展示しています。
田嶋さんが美術館で作品を発表するのは初めてのこと。書アートを学んで10年余り、パワフルで繊細なその作品は、1階会場でご覧いただけます。
遊び心も満載の田嶋さんの書アートには、お人柄がうかがえるよう。幾つになっても人生前向き、ファンが多いのもうなづけます。
さて、2階会場の「共鳴する絵画-音-」は2部構成。
第1章の「自然の音と和の調べ」では、日本洋画の草分け高橋由一の「本牧海岸」や山本芳翆の「婦女横笛」、向井潤吉の「小吹雪く日」など明治から昭和洋画壇の巨匠の作品17点を展示しています。
高橋由一「本牧海岸」1877年(第1章)
ラグーザ玉「保津川の渓流」(第1章)
「名前は知ってたけど見たことがない」という方が多いラグーザ玉の作品も出品中。清涼な水音を感じさせる見逃せない1点です。
第2章は「暮らしの音と洋の調べ」。
現在活躍中の画家を中心に17点の作品を紹介しています。
昭和洋画壇の巨匠、山口薫の「沼地で飛ぶ飛行機」、現代具象洋画の注目作家、山本大貴の「Sound of Silence」など、戦後から現代までの作品をご覧いただけます。
2014年、73歳で逝去した城戸義郎は、藝大を経てフランスに留学、オランダ・ルネサンスの巨匠たちのアカデミズムを研究した画家。「ヘンデル エアーバリエ」はアンティークな佇まいが魅力です。
城戸義郎「ヘンデルエアーバリエ」2010年(第2章)
おいでの折は、どうぞ絵の前で耳をすませてください。波の音や鳥の声、笛やバイオリンの調べ、街中の喧騒・・・見る者の記憶を呼び起こすさまざまな「音」が聞こえてきます。
話題の「田嶋陽子書アート展」、そして名画が並ぶ「共鳴する絵画-音-」、お見逃しになりませんように。
なお、18日午後2時からギャラリートークを開催します。皆様のご来館をお待ちしております。(KA)
佐々木豊「合奏」2014年(第2章)