笠間日動美術館:学芸員便り

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■田嶋陽子さんの書アートと共鳴する絵画 

2016年06月15日

現在、企画展示館では、テレビでもおなじみ田嶋陽子さんの書アートと、音を感じさせる絵画を展示しています。

田嶋さんが美術館で作品を発表するのは初めてのこと。書アートを学んで10年余り、パワフルで繊細なその作品は、1階会場でご覧いただけます。

遊び心も満載の田嶋さんの書アートには、お人柄がうかがえるよう。幾つになっても人生前向き、ファンが多いのもうなづけます。

さて、2階会場の「共鳴する絵画-音-」は2部構成。

第1章の「自然の音と和の調べ」では、日本洋画の草分け高橋由一の「本牧海岸」や山本芳翆の「婦女横笛」、向井潤吉の「小吹雪く日」など明治から昭和洋画壇の巨匠の作品17点を展示しています。

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高橋由一「本牧海岸」1877年(第1章)

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ラグーザ玉「保津川の渓流」(第1章)

「名前は知ってたけど見たことがない」という方が多いラグーザ玉の作品も出品中。清涼な水音を感じさせる見逃せない1点です。

第2章は「暮らしの音と洋の調べ」。
現在活躍中の画家を中心に17点の作品を紹介しています。
昭和洋画壇の巨匠、山口薫の「沼地で飛ぶ飛行機」、現代具象洋画の注目作家、山本大貴の「Sound of Silence」など、戦後から現代までの作品をご覧いただけます。

2014年、73歳で逝去した城戸義郎は、藝大を経てフランスに留学、オランダ・ルネサンスの巨匠たちのアカデミズムを研究した画家。「ヘンデル エアーバリエ」はアンティークな佇まいが魅力です。

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城戸義郎「ヘンデルエアーバリエ」2010年(第2章)

おいでの折は、どうぞ絵の前で耳をすませてください。波の音や鳥の声、笛やバイオリンの調べ、街中の喧騒・・・見る者の記憶を呼び起こすさまざまな「音」が聞こえてきます。

話題の「田嶋陽子書アート展」、そして名画が並ぶ「共鳴する絵画-音-」、お見逃しになりませんように。

なお、18日午後2時からギャラリートークを開催します。皆様のご来館をお待ちしております。(KA)

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佐々木豊「合奏」2014年(第2章)