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■「フランス美術の巨匠たち」「金山平三・佐竹徳の世界」好評開催中!

2013年04月08日

「モネ、ルノワール、セザンヌ、ピカソ… フランス美術の巨匠たち」
「自然美を謳う 金山平三・佐竹徳の世界」
二つの展覧会、好評開催中!

フランス館で開催中の「フランス美術の巨匠たち」。
コロー、ルノワール、ルドン、ゴーギャン、ルソー、ルオー、ピカソなど、バルビゾン派、印象派以降の19世紀から20世紀フランス画壇の巨匠たちの作品を展示しています。

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なかでも、近年公開される機会がなかった10余点は、この機会に是非ともご覧いただきたい作品です。

ゴーギャンのタヒチ時代の「夢」、ルノワール晩年のお気に入りのモデルガブリエルを描いた「褐色の髪の浴婦」、ルドンの「神話」、ピカソ「画家の妹 ローラの肖像」など名品がそろいました。

企画展示館では、
ヨーロッパの古典絵画や印象派に影響を受けた金山平三、
ピサロ、セザンヌに傾倒した佐竹徳、
この二人の油彩画家の展覧会「自然美を謳う 金山平三・佐竹徳の世界」を開催中です。

青年時代に次代を担う画家として高く評価されていた金山平三と佐竹徳は、
ある時期から画壇を離れ孤高の制作を続けたため、
梅原龍三郎、安井曾太郎のように一般に知られた存在ではありません。
生前は、作品を売ることを望まず、「幻の画家」とも呼ばれました。

昨年、金山平三は兵庫県立美術館、ひろしま美術館で大きな回顧展が開催され、
NHK「日曜美術館」にも取り上げられるなど、一躍脚光を浴びました。

一方の佐竹徳は、瀬戸内市立美術館に約70点が収蔵されていますが、寡作のため関東でこのように多くの作品が展示されたのは、20余年振りとなりました。
1989年に「第一回中村彝賞」を受賞し、1991年茨城県近代美術館で「鈴木良三、佐竹徳展」が、続いて岡山県立美術館で「佐竹徳展」が開催されましたが、こののちは自ら表舞台に立つことを好まず、まとめて作品を見る機会はほとんどなかったと言えるでしょう。

アクリル等、速乾性の絵の具のない時代、制作道具一式を携えて取材地に赴き、四季折々の自然を捉えた二人は、日本近代洋画における風景画の頂点に達したと言っても過言ではありません。

今展に出品中の佐竹作品の多くが初公開です。

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セザンヌを思わせる佐竹徳の「オリーブ園」(未完)

二つの展覧会は6月2日まで、どうぞお見逃しなきよう、ご来館ください。
(KA)